私、山岡佐紀子は、2012年4月から5月にかけて、スエーデンとオランダに滞在し、アートイベントなどに参加しました。私は、ここ15年間、ほぼ毎年最低1回はヨーロッパに出ており、主にアーティストが企画するアートイベントに参加しています。最近は、さすがに企画する人たちの世代交替を感じ、作品の傾向は当然ながら変化しておりますが、変わらないのは、アーティストたちが、どこでも活発に協力しあって、自分たちのやりたいイベントを続けていることです。ヨーロッパもまた2008年以後の経済危機の影響は色濃く訪れているのですが、日本の状況と違うのは、返ってアーティストたちの自主的な活動が積極的になっているところです。
このインタビューは今回関わった3つのイベントや研究グループのオーガナイザーに行ないました。実はある雑誌のための取材だったのですが、出版が来年になるということなので、鮮度が落ちないうちにと、まず自分のブログにとりあえずアップしました。そしてさらに、いろいろな方に是非参考にしていただきたいと思い、Taezへの掲載をお願いした次第です。掲載希望を受けてくださった、Taezの高橋晃さんに感謝します。どれもパフォーマンスアートに関するものですが、一般のファインアートとして、お読みになっても充分、通じる中身だと思います。
私の興味のポイントは以下の3点。
1. アーティストが企画すること、アーティスト・ランということの意味。
2. 教育活動が常に加えられているという最近の傾向。
3. パフォーマンスアートの魅力。
text: 山岡佐紀子
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アーティスト・ランのプロジェクト Index
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(1) PALS (Performance Art Links)
今年が、その第1回であるストックホルムのパフォーマンスアートフェスティバル。デニス・ロマノウスキーDenis Romanovski、ラビサ・ヨハンソンLovisa Johansson、エリック・ヴィクストロインErik Wijkströmの3人のアーティストたちにより企画された。…
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(2) PAS (Performance Art Study)
パフォーマンス・アート・スタディズについては、数年前からその存在は知っていた。主催者のヨハネスのことも、その少し前から知っていた。今回は、私が参加した2つのアートイベントのどちらにも、PASは教育活動として、参加していた。…
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(3) PAE (Performance Art Event)
「パフォーマンス・アート・イベント」は、オランダの港町ロッテルダムの若い3人のアーティストたちにより運営されている。オーガナイザーは、リーダー格のニナ・ボアスNina Boas、マータイ・ステリンガMartjin Stelinga、それからイケ・トリンクスIeke Trinksの3人。…
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山岡佐紀子 Sakiko Yamaoka 札幌生まれ
http://www.sakikoyamaoka.com/
作品は、以下の2つの方向性。
1. サイトペシフィック(社会コンテキストと視覚的条件)を背景とした作品。
2. ホワイトキューブでのファインアート系作品。
ワークショップ、レクチャー、写真、絵画などもある。
<主な作品>
「天使の監視」秋葉原駅を背景に監視カメラをテーマにした妄想型作品。Ustreamを使う。
「Love or Not」参加型ストリートアクションパフォーマンス。
「Blind Game」易とオセロをミックスした2時間のデユレーションパフォーマンス。
「空からの風」感情の変化を風にたとえてパーティテーブルを台無しにする。
「Best Place to Sleep」銀行ATMなどで少し昼寝をする。
「Come with Me」共犯意識を高めるふて寝系参加型ストリートアクション。
「Missing in Yokohama」事実とフィクションをMixした近代横浜を舞台にした自伝的作品。
「This is my sound」音と行為と身体をテーマにしたロジカルな小品。
「Drill」「Garden」「Hand-mill」「Topaz」「東京竜巻プロジェクト」など。
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◉「ヨコハマトリエンナーレ2011〜世界ってどこ? 山岡佐紀子が語る」
◉「優秀な通訳者」
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