2010年1月16日、YCCにて横浜アートサイト2009を振り返るシンポジウムが開催された。
各団体からは、資金面と人材面の不足がありながらも、何とか続けることができている、続けるごとに地域住民とのつながりが深くなっている、という前向きな報告があった。
始めたきっかけも、住民自ら始めたもの、アーティストからの持込企画、財団からの呼びかけとそれぞれ違えど、運営は地域で準備に時間が割ける人(アーティストも含め)が担っている。
どの団体も写真を多く使った報告で、模索しながらも楽しく絆を深める様子が伝わってきた。
これに対しファシリテーターやコメンテーターから、ねぎらいとともに、厳しい意見や改善点の指摘もあった。
詳細は
こちらのリンク先にあるポートサイドステーション(@PSS_yokohama)が行ったTwitterでの中継を読んで頂きたいが、地域密着型のアートイベントへの評価やアドバイスについては疑問が残る。
横浜アートサイトは公募型なので、市内各地のプロジェクトは審査される側ではある。しかし、地域密着型のアートプロジェクトに対して「こうあるべきだ」という指摘はいかがなものか。
もちろん、広報面の強化など、活動をわかりやすく発信することや、各地のアートプロジェクトが抱える悩みを解決するためのアドバイスはとても有効だ。しかし、この2つの発言が気にかかってしまった。
16:05 山野「金沢文庫芸術祭。一番長く続けられている、ほぼ完成されたイベント。アーティストをもっと増やしてはどうだろう。」
アートプロジェクトには各地の特色がある。また、地域の誰もが参加でき、誰でもアーティストになれる可能性もある。金沢文庫芸術祭の魅力は、先住民族の精神や、子どもを中心に参加者すべてがアーティストとなり楽しむところにあるのではないだろうか。
16:01 山野「さかえdeつながるアート。審査の時、北川純さんにすがってと言ったが、そのようにされているようです。北川純さんというアーティストの成長にかかっている。」
アーティストの実力も大切だが、地域住民の協力あって成り立つプロジェクトに対して、アーティストの力だけをとりあげるのは活動を支えている住民の気持ちを考えると、少し残念なコメントである。
2つの発言はいずれも山野真悟氏のものだが、AOBA+ART以外は足を運べなかったという山野氏、ぜひ今年は各アートプロジェクトに足を運び、それぞれの醍醐味を味わってほしい。
市内各地で今年も開催されるアートプロジェクトに、今年も注目したい。
なお、今回同時開催のYCC1階での展示は18日まで開催中。写真はシンポジウムと展示の様子。
↓AOBA+ART2009実行委員会 本間純氏
↓都筑アートプロジェクト2009実行委員会 菊池由紀子氏、萱島雄太氏
↓大岡川アートプロジェクト実行委員会 中村敬氏、門馬康二氏