ラビラビ live in 金沢文庫芸術祭2010

 金沢文庫芸術祭のとりを締めたのはラビラビのライブ。南ステージに帰ってくるサンセットパレードに、「みんなお帰り〜」「ラビラビがお待ちかねだぞぅ〜」で始まる1時間半のライブ。YouTube2本分、30分間に濃縮いたしました。

 打楽器2人の強力なリズムセクションに,あずみのボーカル。異色の編成の即興ユニットです。西洋的音楽スタイル、ジャズ、ブルース、ロック等に共通するのはドラムとベースでリズムセクションを固めるスタイル(そう云う私もベース弾きですが、、)。これに対しラビラビの編成は打楽器+ボーカルという極めてシンプルな編成。西洋音楽的価値観の対局にあるように思います。

 ラビラビの音楽について「縄文トランス」という言い方がされてますが、縄文時代のこと本当は誰にも分かりません。むしろ、私には柳田國男の遠野物語に記載されてるシャーマニズムを連想します。日本にニューウエーブとして仏教が伝来する以前の価値観。
 この太鼓と声の響きは私たちが日常持ってる価値観と、正面から対立してくるはずです。ラビラビの根元には、原始ジャパニーズ・ネイティブの生き方が反映されてます。
 一方、テクニカルには現代のものを使用してます。あずみの唄で多用されるループの手法、一昔前までみんなテープを使ってアナログで苦労してやってたものです。そのほか様々なデジタルエフェクトをミックスしてあずみの唄はコントロールされてます。
 今回の映像も、ほとんど照明がない状態で最新の高感度ビデオカメラだからこそ記録出来たものなんです。やはり、我々はテクノロジーの発展の恩恵をうけて生きているんです。
 しかし強力な打楽器、このプリミィブな楽器の上にヴォーカルを重ねてゆく手法はとても新鮮です。西洋音楽の語法になれすぎた私たちの耳に対するラビラビの挑戦、今後も見逃せないです。