シネマ・ジャック&ベティに最新デジタルシネマ機器導入

中区若葉町にあるミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」の最新映画上映館「ベティ館」に3月26日(金)、最新のデジタル機器が導入された。

これは、経済産業省の商店街活性化事業費補助金として、商店街と連動して町の活性化を目指す全国約20カ所の単館系映画館に対して支援されたもの。首都圏のミニシアターでは東京都・渋谷ユーロスペースとシネマ・ジャック&ベティの2カ所で導入された。具体的には、最大7.1chのサラウンド音声機器と最新型プロジェクターの導入で、映像・音声ともに格段な質の向上が実現した。

最近も桜木町駅前TOCみなとみらい内に「横浜ブルグ13」がオープンし、近年、横浜市内には大手のシネマコンプレックスが増加傾向にある。その中でかつての風俗街の面影を残す黄金町にもほど近いシネマ・ジャック&ベティは、1951年に東映名画座としてオープンし、2007年からは、このまちに魅せられた2人の若者によって特集上映や2本立て上映を行う横浜最後の名画座のジャックと、ミニシアター系新作上映のベティの2館からなる単館系ミニシアターとして運営されている。昔ながらの旧作映画ファンや、映画好きの若者にも人気の場所だ。

まちの魅力のひとつとして古き良き映画文化を伝え続けるにも、最新技術で作られる最新作に合わせた設備等の負担は大きいと推測されるだけに、今回の機器導入は嬉しい知らせだ。

横浜生まれのシネマ・ジャック&ベティ支配人梶原俊幸さんは
「地域や商店街と連動した映画祭や特集イベントなど開催していることを評価していただけたのだと思います。なので地域の方、お客様のおかげです。ですので、お客様に、クオリティが大きく改善した映像・音響で映画を楽しんでいただけることが非常にうれしいです。さらには、今まではフィルムの本数が足りず、上映できなかった新作を、デジタルデータで上映できる可能性が出てきます。これにより、より良い作品のラインナップも提供できればと考えております。引き続き、地域や商店街と連動したイベントで使用していき、多くの横浜の方に、最新上映システムを堪能していただきたいと思います」と話した。

国からの応援も受けてさらに活気づく下町の小さな映画館「シネマ・ジャック&ベティ」で贅沢な映画鑑賞を楽しまれてはいかがだろうか。

関連リンク
シネマ・ジャック&ベティHP http://www.jackandbetty.net/

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奮闘中の新人女性監督に会場からの声が止まらない「海岸通団地物語」杉本曉子監督トーク

12月23日、フォーラム南太田での上映会「海岸通団地物語〜そして、女たちの人生は続く」上映後の杉本曉子監督トークです。海岸通団地は、みなとみらいのすぐ近く、都会の中にぽつんと取り残されたような光景は一度目にすると忘れられない場所です。30名ほどの参加者には、団地のことを気にかけていた方、よく知っている方も多く、会場からの発言が止まらないトークは大いに盛り上がりました。

「海岸通団地物語〜そして、女たちの人生は続く」杉本曉子監督トーク
司会:TAEZ!小園弥生さん

小園:映画制作のきっかけは?

杉本:映像制作会社を辞めて5年、派遣の仕事をしながら、また何か撮りたいと思って横浜を歩いていると、以前から気になっていた団地に目がとまり、撮り始め通うようになりました。最初は警戒されたが少しずつ住民と打ち解け、映画を楽しみにしてもらえるようになりました。昼は派遣の仕事、夜はバイト、休日は撮影。夏の外の撮影では熱射病にもなりました。今年の山形国際映画祭にも応募しましたが落選。でもその後10~11月のヨコハマ国際映像祭の国内長編部門として上映され、そのときは団地の方も見に来てくれました。上映をきっかけに主人公の画家、平山さんの水彩画は映像祭新港ピア会場のラボスペースで展示もされました。

会場:大晦日はたくさんのカメラが回っていたようですが。

杉本:4人体制でした。私は平山さん宅、スタッフ3人は打越さん宅(テレビが故障して上3分の1が映らない家の人)、外で花火の映像と音をそれぞれ担当しました。

会場:撮影は誰かの紹介で始められたのか。

杉本:取材はじめは、団地の管理事務所で断られ、市に電話すると都市機構といわれ、そこともうまくいかず、最後にヨコハマ経済新聞で自治会長でもある平山さんが出ていて、そこに連絡しました。

会場:団地の立替反対運動という意味にもなりそうだが

杉本:立替反対という意味ではなく、撮影していく中で、すんでいる人に惹かれていきました。それを表現しています。

小園:団地の皆さんに見せたときは?

杉本:みんな盛り上がったが、主人公平山さんだけは、こんなに私が映っているなんてと言われ、数時間話合いました。最終的には、立替のことを人の魅力を通じて伝えたい、という気持ちをわかってくれました。平山さんも画家で同じ表現者だから、表現したいという強い気持ちをわかってくれたのだと思います。私は、映像の世界にまた戻りたい、その最後のチャンスかも、って思って映画を作りました。すべての責任を負うつもりで作りましたが、一方で出演者の皆さんを傷つけたくない、満足してもらいたい、という気持ちも強かったので粘り強く説得しました。その上映が一番緊張し、胃が痛くなりました。それでも団地の皆さんに見せ、向かい合いました。

会場:幼い頃からの映画監督の夢だそうですが、第1回の監督作品の感触は。

杉本:実は昨日も映画美学校で強く批判されました。外からの窓のカットだけはよかったよね、とも言われ(笑)。でも今日はこれだけの方に見てもらえて、とても嬉しいです。団地の皆さんとの関係性も続いています。実は今年の大晦日も撮りに行くんです。まだ家を撮らせてくれないチョコレート(ゴディバ)をくれた男性も今年は何かしら協力してくれると言って下さってとても楽しみです。

会場:主人公の平山さんの知り合いです。個展に行き、お家にも行き、凛としてて素敵な人と思っていた。こんな人生があったとは、とびっくりした。かなりオープンに表現されているので覚悟をもって出演されたと思いました。人の人生を他人の都合で切り取るわけにはいかないと思うので、これからも平山さんの応援を。

杉本:どこのだれかもわからない人に、ここまで撮らせてくれる平山さんの懐の大きさも感じています。命がけで作らなければと思いました。私はもう失うものはない、と思っていますし、制作会社時代には自分が気取っていては撮れないと学びました。その気持ちで取材対象にも向かいました。

会場:写真家の森日出男さんを映した理由は。

杉本:外側の関係から団地を撮る森さんのノスタルジー感と、内側から撮る自分と対照させるため、重要なキーパーソンとして撮りました。

会場:友人が海岸通団地に住んでいますが、なぜあの女性3人を撮ったのか。

杉本:一人で団地で暮らす女性にたいしてのイメージを変えたかった。凛としてこびない姿のある女性たちです。

会場:下からのアングルが多い。見る人にとっては少しよくない。工夫が必要では。監督自身がまだ正面きって向かい合えてないのでは。

杉本:ありがとうございます。制作会社勤務の時からの癖で下に構えてしまいます。また目を見て話を聞きたいから、胸の前で構えたり、置きで撮ったりしてしまいます。人手が足りないのも大きな原因で、協力者も募集中です。ぜひ撮影、制作にご協力ください。

会場:元中区職員です。団地については、人の増減、建物が立つ、無くなるという動きとしかとらえてなかった。団地の人の暮らしを初めて見た。

小園:団地の人はみな立替終わっても住めるのか。

杉本:希望すれば住めるが、家賃問題もあります。家賃が高くなりすぎないよう、町内会でも交渉を進めています。

会場:誰もこの団地立替を知らない、あまり問題を大きくしないよう、行政は隠しているのでは。

杉本:耐震構造がよくなる、新しい建物になる、はみなさんOKで、家賃問題だけが大きいようです。私は、あの古い団地自体が魅力的だと思うのですが。森日出男さんには「横浜の人は、新しいこと変わることをすぐに受け入れる」と聞きましたが、その通りかもしれません。

会場:都橋で週末カフェバーをやっています。あそこも古くて素敵です。古いもの好きもいますよ。

杉本:そういえば横浜の森ビル建設は中断しているようですね、住民のみなさんは鉄槌食らったと言っています(笑)。

会場:倉庫は1棟だけ残すって聞きました。

杉本:そうですか。そうそう道路拡張で木を切ってしまうことに住民が反対し、都市機構も同意したこともあったそうです。この団地は、周辺の開発から忘れられたような風景と住民が言います。私もそう思います。

会場:続編の内容は。

杉本:弁天、伊勢佐木の歴史は残っているが、海岸通の歴史はあまりないんです。そこを紐解きたいなと。団地は2年後にはマンションになります。最後は引越しを終えてそこでの大晦日も撮りたいです。

会場:工事遅れているから2年で終わるかどうか。

会場:立替反対運動はなかったのか。

杉本:反対運動が落ち着いた頃に撮影を始めました。今は家賃の値下運動をしています。年齢によって半額にならない人もいて生活が苦しくなるのは目に見えているんです。

会場:男性バージョンの番外編を。

杉本:そうですね。どんな人もドラマをもっていますね。それが好きです。私自身が惹かれるものを撮っていますが、濃密なドラマのある夫婦も素敵でした。

小園:撮影スタッフの方はどう思っていますか。

スタッフ(守):杉本さんは100回以上団地に通っているけど、最初はどこがいいんだろうと思っていました。現在は試写や上映会に毎回参加しています。今回はどんな人が来るのか、どきどきしながら来ました。

会場:面白かったです。辛口なモダン画家。岩手の羊羹をくれる横浜のおばさんの家でかかる歌謡曲。対比が楽しく。上3分の1が映らないテレビが最後に見れてよかった。

会場:みなとみらいに行くたびに気になっていた団地。20代に公団住宅に3年住んだ。半永久的に住む人の人生がつまっている団地の映画でしたね。私があそこに暮らしていたら、と想像しながら見た。

杉本:すべての部屋に表情がある。そこをもっと見せたいです。もっと多くの人の家を撮りたいと思っています。皆さんの感想が私の力になります。あと2年、心が折れそうになってもがんばります。今日は本当にありがとうございました。

【動画追加】体験取材「ご近所映画クラブ」@CREAM 11月28日は100人で映画作り!?

「ヨコハマ国際映像祭2009 CREAM」の新港ピア会場で平日限定で行われている「ご近所映画クラブ」に参加しました。ビヨークやケミカルブラザーズのPVも手がけた映像作家ミシェル・ゴンドリー考案のメソッドにより、映画作り2時間半、上映会まで開催して合計3時間のワークショップです。

大阪のNPO「remo/記録と表現とメ ディアのための組織」の甲斐賢治さんの ファシリテートで行われています。最新情報では、11月28日(土)午前10時に集合した人全員が参加できるという、100人で映画制作プロジェクトが行われるようです。

参加は、横浜市在住の「あめちゃん」、デザイナーでTakeArtEazy!(TAEZ!)事務局長の高橋晃さん、木村静の3人。

4人以上のグルー プ参加が望ましいということでしたが、3人でなんとかやらせてもらえました…が、案の上、作業量と忙しさに息を切らしながら、やっと出来上がりました。作品は近日中にYouTubeにUPされるとのことで、このページでもお知らせしますのでおたのしみに。

まずは上の体験取材の映像をご覧下さい。

このワーク ショップは、事前申込み制ですが、4人以上のグループなら誰でも参加可能です。ワークショップ参加は無料。要CREAM入場券(当日券大人1300円。期 間中通しパスポート2500円)。

詳細はCREAMの「ご近所映画クラブ」のページを。
100人プロジェクトについてはまもなくCREAMウェブサイトにUPされるようです。

また、CREAMウェブサイトTOPはtwitterで自動更新される仕組みになっていて、CREAMの関係者だけではなく、参加者、入場者の感想 や、それにたいしてのスタッフの意見などで常に情報交換と発信が行われていて斬新です。

CREAMも残すはあと1週間。ぜひご注目ください。

【追記】

完成した映画がアップロードされました。


そのほかの参加グループによる作品もこちらのYouTubeチャンネルで見られます。
また、会期中平日開催のご近所映画クラブは満員御礼につき、「100人ご近所映画クラブ」についての詳細もこちらのCREAMラボスペースブログにUPされています。