森村泰昌氏がアーティスティック・ディレクターに就任 ヨコハマトリエンナーレ2014第1回記者会見

「はじまりは国芳-江戸スピリットのゆくえ」展を開催している横浜美術館で、12月18日(火)に「ヨコハマトリエンナーレ2014」の第1回記者会見が行われた。

逢坂恵理子氏と森村泰昌氏
逢坂恵理子氏と森村泰昌氏

会場の円形フォーラムの席に「アーティスティック・ディレクター 森村泰昌」の名前があった。
森村氏は、自らが作品のなかの人物などに扮して撮影する作品で知られる。今日の森村氏は黒地に金の水玉のネクタイを締め、やや緊張したおももちで「わたくし」と主語を明確にし、慎重に言葉を選んでいたようだった。

横浜美術館で2度個展を開催したことから横浜に愛情をお持ちで、「ヨコハマトリエンナーレ(ヨコトリ)2014が無事終了するまで約2年間あるが、白紙の状態から形を作り上げていく、そのプロセスが最も重要。ヨコトリ2014の開幕までのプロセスをみなさんに見ていただきたい」という発言があり、いままでにないスリリングな展覧会になることをおおいに期待したい。

横浜美術館館長でもあり、組織委員会委員長を務める逢坂氏は、昨年総合ディレクターを務めた「ヨコハマトリエンナーレ2011」に思いを馳せ感慨深そうに、考え抜かれた論文を読み上げるように語った。ヨコトリ2011は、昨年3月11日に第2回記者会見があった。午前中は横浜で開催し、午後は東京で開催する直前に東日本大震災が発生し、会見は中止したが、ヨコトリ2011は予定通り8月から開幕した。

なお、「ヨコハマトリエンナーレ2014 開催概要」、「森村泰昌作品の横浜美術館での展示」は文末にまとめた。

■予想のつかない展覧会を開きたい              

横浜トリエンナーレ組織委員会委員長 逢坂恵理子氏

 5回めの横浜トリエンナーレにして初めて開催の2年前に、会場とアーティスティック・ディレクターを発表できることに感慨深いものがある。
2001年の第1回展開催から10年以上経ち、現代美術の国際展は全世界で200件あるともいわれて、現代美術は少し生活に浸透してきた感がある。横浜市のクリエイティブシティ構想の一環である横浜トリエンナーレの役割は、アートを通して世界や人間を知ることにある。また、違う考え方やクリエイティブな視点をアートを通して知り、学ぶことによって、人生をより幅広く豊かなものにし、未来に向けての示唆をアートから汲み取ることができる機会になればと思う。

アーティスティック・ディレクターは学芸員や美術評論家が多いが、そのような予想のつく傾向を避けて、予想のつかない展覧会を行って違いを出したい。
森村氏はさまざまなキャラクターに扮し、さまざまなジャンル―写真、歴史、映像、ファッション、執筆―を横断して美術に結び付け、現代の問題点にも鋭敏な感性をお持ちなので、いっしょに想定できない展覧会を仕立ててきたいと森村氏を選んだ。      森村氏選定にあたり、メンバー5人の「アーティスティック・ディレクター選定委員会」を設置した(詳細は記者会見のHPをご覧ください)。

■横浜への確実な愛があった                  

アーティスティック・ディレクター 森村泰昌氏

森村泰昌氏
森村泰昌氏

逢坂氏は美術家がアーティスティック・ディレクターになることをポジティブにとらえていたが、私は美術家でキュレートされる側にあり、本当はもっとふさわしいキュレーターがいるのではないかと思っていた。ヨコトリの関係者と話合いを重ねるうちに、アーティスティック・ディレクターとして務めることがリアリティーをもつようになり、引き受けた。
ヒッチコックの映画に『知りすぎていた男』があるが、「知りすぎて」いるために、ある形に嵌めこんでしまう場合もあり、「知らなさすぎる」私はすべてを白紙状態から始めることができるのではないか。また、横浜トリエンナーレの過去4回の経験値からの知恵を活用できると思う。
拠点となる横浜美術館では2回大きな個展を開き、美術家として横浜はたいへん重要な土地でもある。ほかならぬ横浜からのご指名なので、横浜への確実な愛情があり、それが白紙から構築するには重要なパワーになると信じている。
ヨコトリにはたくさんの優秀な仲間がいる、よいチームをつくりあげることができれば、きっとおもしろいヨコトリ2014になるだろうと、今は夢みている。

これから閉幕まで約2年間、そのプロセスも重要でよめないスリリングなことになるだろう。
そのスリリングなプロセスは密室で行うのではなく、公開の世界にしたい。
成功させるための重要な後押しになるので、(記者会見に集まった)みなさんの興味、好奇心、愛情をもって、ご支援を長く途切れずに行っていただきたい。

■Q&A 会場からの質疑応答
Q:ヨコトリ2014のイメージは。
A:美術、人間、社会、文化それぞれにとって今何が大事なのかという点を提案すべきだと思う。トレンドを追うと2番手になってしまう、トレンドは創り出すものだ。

Q:横浜市内には10年以上の歴史をもつNPOや現代美術のギャラリーが多数あるが、ヨコトリと交流する機会やプログラムがあるとよい。
A:コンセプトに応じて連携できるが、総花的にならず、焦点がぼけないようにしたい。提案として受け止めたい。

Q:現代美術にとって国際展にはどんな影響があったか。
A:規模を競うものになりがちだが、重要なのは質であり、内容を決めるためにはコンセプトが重要である。早いうちに発表したいが、コンセプトが答えになると思う。

Q:森村氏の役割とサポート、文化庁の関わり方
A:(帆足組織委員会事務局長から回答)森村氏の役割はコンセプトを決め、作家の最終選定に関わる。キュレーターとして横浜美術館の天野氏を中心に、外部スタッフなどもサポートする。文化庁は組織委員会にはオブザーバーとして参加してもらっている。2014年の開催年度に支援をいただきたいと考えている。

■森村泰昌/略歴
1951年、大阪市生まれ、同市在住。京都市立芸術大学美術学部卒業、専攻科修了。
1985 年ゴッホの自画像に扮したセルフポートレイト写真を発表。以後、「自画像的作品」をテーマに美術史上の名画や往年の映画女優、20 世紀の偉人たちなどに扮した写真や映像作品を制作。
『対談集 なにものかへのレクイエ ム―20 世紀を思考する』(岩波書店、2011年)など著書多数。2006年度京都府文化賞・功労賞、2007年度芸術選奨文部科学大臣賞、2011年に第52回毎日芸術賞、日本写真協会賞・作家賞、第24 回京都美術文化賞の各賞を受賞。同年、秋の紫綬褒章を受章。

■森村泰昌作品の横浜美術館での展示
現在、「横浜美術館コレクション展」では「なにものかへのレクイエム」シリーズから映像作品と写真作品が展示されている。所蔵作品は25点(寄託作品15点を含む)、コレクション展にたびたび出展される。個展の開催は下記の2回。

横浜美術館コレクション展 2012年度第3期「光をめぐる表現」2012年11月3日~2013年3月24日
http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2012/collection03/

「森村泰昌展 美に至る病―女優になった私」1996年4月6日~6月9日
http://www.yaf.or.jp/yma/archive/2010/800.php

「森村泰昌—美の教室、静聴せよ」展 2007年7月17日~9月17日
http://www.yaf.or.jp/yma/archive/2010/867.php

■ヨコハマトリエンナーレ2014 開催概要
名 称 ヨコハマトリエンナーレ2014
会 期 2014年8月上旬~ 11月上旬
※会期の詳細・休場日は、決定次第お知らせします。
主会場 横浜美術館、新港ピア(新港ふ頭展示施設)
主 催 横浜市、(公財)横浜市芸術文化振興財団、NHK、
朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会
アーティスティック・ディレクター  森村泰昌(もりむら やすまさ)
*事業の総称および組織名は「横浜トリエンナーレ」(横浜=漢字表記)、第5回展の事業名は「ヨコハマトリエンナーレ2014」(ヨコハマ=カタカナ表記)。

■ヨコハマトリエンナーレ2014 第1回 記者会見
平成24 年12 月18 日(火) 14:00~15:00 横浜美術館 円形フォーラムにて
http://www.yokohamatriennale.jp/top/news/news-20121218-03.html

(写真:高橋晃、レポート:はしもと のりこ)

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西野達:NY・地上20メートルのリビングでコロンブスと語らう

©Tazu Rous(西野達)
Discovering Columbus ©Tazu Rous(西野達)

西野達さんの新作”Discovering Columbus”(直訳は「コロンブスの発見」)は、ニューヨーク(NY)の円形交差点「コロンバスサークル」にあるコロンブス像を囲ってリビングルームにするもので、9月20日から公開されます。

■交通の要所「コロンバスサークル」
「コロンバスサークル」はセントラルパークの南西の角、大きな三つの通りが交わる円形交差点です。中心に約20メートルの花崗岩の柱があり、その上に大理石のコロンブス像が立っています。この像は1892年にコロンブスのアメリカ初渡航400周年記念のひとつとして建立されたもの、500周年記念の1992年に修復され、2005年にはまわりに噴水、ベンチが加わり、ショッピングや食事に訪れる人も多くなりました。

■コロンブスの視点を共有する
高さ約20メートルにある約4メートルのコロンブス像は、地上からやっと見える程度、意識して像を見たニューヨーカーはあまり多くはないでしょう。西野作品ができることによって、「コロンブスを発見する」ことになります。また、鑑賞者は6階建ての足場の階段を上って、リビングにたどり着いてコロンブス像に会い、像がいつも見ている景色を「発見」することができます。

■2回めのコロンブス像
西野さんは2004年にはスペインのセビーリャ・ビエンナーレで、2メートルの台座にある等身大よりやや大きいコロンブス像を囲んでリビングをつくりました。本棚にはコロンブス関連の本が並んでいました。コロンブスの顔がわからないので、本によって違う顔が載っていました。
コロンブスが出港したセビージャ、到着したアメリカの二つのコロンブス記念の地を西野作品がつなぐことになりました。

【Discovering Columbus】
2012年9月20日(土)~11月18日(日) 期間中毎日10:00~21:00
下記の主催「パブリックアートファンド」サイトで予約が必要、料金は無料。
http://www.publicartfund.org/view/exhibitions/5495_discovering_columbus

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なお、ベルギーのゲントと日本の新潟で西野作品を体験できます。

■100年の歴史を見つめてきたホテル、西野達《ホテル・ゲント》に泊まりませんか?
2012年5月12日~9月16日 *屋内展示は月曜休み
http://bit.ly/Kf44CO

■西野達さんの作品「知らないのはおまえだけ」に滞在してみませんか?(募集中)
「開港都市にいがた 水と土の芸術祭2012」2012年7月14日~12月24日
http://bit.ly/RiVhBO

【西野達(Tazu Rous)、別名 大津達、西野竜郎、西野達郎】
1960年名古屋生まれ、ベルリンと東京に拠点を置き、世界各地プロジェクトを発表。大胆な発想の作品は多くの人を引きつけ、意識していない日常に気づかせてくれる。

最近の作品では、2005年の横浜トリエンナーレで中華街の東屋をベッドにホテルの部屋にした《ヴィラ會芳亭》、2010年のあいちトリエンナーレでは「愛」の文字をイルミネーションで飾りクレーンで吊り上げた《転がる愛知》、2011年にはシンガポールビエンナーレで国家のシンボルを取り込んだ《マーライオンホテル》。

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NYのアートブログで紹介されています。

Discovering Columbus: Follow Up
http://collabcubed.com/2012/09/20/discovering-columbus-follow-up/

collabcubed

作品の一部になってみませんか?

新潟で、西野達の新作プロジェクト「知らないのはお前だけ」に住んでいただける方を募集中 

知らないのはお前だけ ©Tazu Rous(西野達)

アーティスト西野達の作品に住んでいただける方(または滞在していただける方)を募集!

新潟で今年7月14日から12月24日まで開催の「水と土の芸術祭」で、西野達の新作「知らないのはお前だけ」の一部になっていただける方を募集します。

最低3日からの滞在で、最長滞在期間は期間中全日です。一人でも、家族と一緒でも、友人同士でもかまいません。

滞在費は無料(電気ガス水道代も無料、食費はご負担ください。自炊もできます)ですが、作品開場時間の午前11時から午後18時の間のうち、最低一人は6時間以上作品内に滞在していただきたいと思っています

 

知らないのはお前だけ

現在とくに、「7月16日以降の7月中」に住んでいただける方を募集しています。

滞在された方には、サイン入りの西野達のパンフレットを差し上げます。

 

申し込み、ご質問は「水と土の芸術祭」ホームページからお願いします。

■「水と土の芸術祭」ホームページからお申込・お問合せください。

参加者募集 http://www.mizu-tsuchi.jp/?p=9012

■参照:西野達ホームページ http://www.tatzunishi.net/

 

 

西野達さんの写真作品・女性モデル募集!

世界中で活躍中の、西野達さん。

日本では、「開港都市にいがた 水と土の芸術祭2012」に参加し、

写真作品のモデルを募集しています。

 

「水と土の芸術祭」は2009年に次いで2回目の開催です。

1858年の日米修好通商条約によって開港した

函館・新潟・横浜・神戸・長崎の5つが「開港5港」と呼ばれ、

横浜と新潟は共通の歴史を持っているのです。

 

少し遠いですが、横浜からモデルに応募なさいませんか、

自らが作品に参加し、西野さんご本人とお話できるチャンスでもあります。

ご興味のあるかたは下記をご覧の上、お問合せください。

*************************

 

■西野達さんの写真作品・女性モデル募集! 

アーティスト西野達が写真作品のモデルを捜しています。

 

◆概ね155cm以下で痩せ型の人、30歳ぐらいまでの女性。

◆撮影地である新潟市へ来られる方。撮影は1日の予定です。

◆下着(ショーツ)が見える状態の作品です。ご理解をお願います。

◆撮影のため、普段着を2着程度持ってきていただきます。

◆謝礼金は、交通費食事代等も含め2万円程度です。

 

興味のある方はご連絡ください。詳細はその時にお知らせします。

●撮影日時:6月中旬 7月上旬の1日

(日時は未定ですが、詳細が決まり次第、候補者にお知らせします)

●場所: 新潟市内

 

申込・問合:http://bit.ly/JPzLFx

[応募用タイトル: 西野達さんの写真作品・女性モデル募集]

 

名  称: 開港都市にいがた 水と土の芸術祭2012

基本理念: 私たちはどこから来て、どこへ行くのか

テー マ: 転換点 -地域と生命(いのち)の再生に向けて

会  期: 2012年7月14日(土)― 12月24日(月・休日)

主  催: 水と土の芸術祭実行委員会

http://www.mizu-tsuchi.jp/

100年の歴史を見つめてきたホテル、  西野達《ホテル・ゲント》に泊まりませんか?

Gent-Sint-Pieters駅 photo Dirk Pauwels

ゲントはベルギーの北部、フランドル地方の人口25万人の都市です。童話『青い鳥』の作者メーテルリンクの故郷であり、フランドル美術の最高傑作ファン・アイク作の祭壇画《神秘の子羊》、花の祭典「ゲント・フロラリア」が有名です。

このゲントで行われるアートプロジェクト“TRACK”に西野達さんが参加します。

今回の作品は街の中心にあるGent-Sint-Pieters駅が舞台になります。この駅はゲント万国博覧会の直前の1912年に完成し、2016年まで駅の改修を含めた周辺の再開発が進行中です。

完成から100年目の今年2012年、時計台を取り込んだ記念史的な作品が地上24メートルに建設されます。駅の塔の時計を壁で囲み一室に収めると、それは見上げていたのとは違う巨大なサイズのものとして部屋の中で出現し、その見え方の変化とともに、パブリックな時計からプライベートなホテルルームの時計のように化ける質の変化ももたらせます。

2011年6月29日付のスケッチ ©Tazu Rous(西野達)

写真の上に描きこんだプラン  ©Tazu Rous(西野達)

【ホテル・ゲント】 http://www.hotel-gent.net

このHPはスキップしないでご覧で下さい。作品の概要がよくわかります。

宿泊の予約は建物の完成日が決まり次第、始まります。短時間で完売しますので、ご希望の方には定期的にチャックをお勧めします。

西野達(Tazu Rous)、別名 大津達、西野竜郎、西野達郎

1960年名古屋生まれ、ベルリンと東京に拠点を置き、世界各地でプロジェクトを発表。大胆な発想の作品は多くの人を引きつけ、意識していない日常に気づかせてくれる。

最近の作品では、2005年の横浜トリエンナーレで中華街の東屋をベッドにホテルの部屋にした《ヴィラ會芳亭》、2010年のあいちトリエンナーレでは「愛」の文字をイルミネーションで飾りクレーンで吊り上げた《転がる愛知》、2011年にはシンガポールビエンナーレで国家のシンボルを取り込んだ《マーライオンホテル》。

2005年、ゲント市立現代美術館(SMAK)の招待で2つの作品を制作した。Speak of devil 2005 Gahent(悪魔の話:館長室の床から街灯が伸びる)、Gott erscheint am Kopfkissen 2005Ghent(神は枕の上に現れる:女の子の部屋にキリストが現われる)。

TRACK

ゲント市立現代美術館(SMAK)の芸術ディレクターが中心に行うアートプロジェクト。SMAKは1975年に活動を開始し、1986年「シャンブル・ダミ(友達の部屋)」、2000年「オーヴァー・ジ・エッジズ」と、社会や住民との関係を重視したプロジェクトを街中で行なってきた。

今年もゲントをテーマに国際的に活躍する41人の作家が新作を発表、日本からは西野達、川俣正が参加する。

SMAK、ゲント美術館(MSK)、ゲント市博物館(STAM)などミュージアムが集まる地区、ゲント大学周辺、旧市街中止部など6地区の屋内外を会場に展開。期間中はオペラ、クラッシク、ジャズ、ワールドミュージックなど音楽、演劇、パフォーマンスも多数開催。

【期  間】2012年5月12日~9月16日 *屋内展示は月曜休み

【時  間】12:00~18:00

【チケット】一般10ユーロ、団体(15名以上)7ユーロ

*屋内展示のチケットは期間中すべての展示個所に入場できる。

ウェブサイトwww.track.be  Eメール info@track.be

ゲント市立現代美術館(SMAK) 10:00~18:00(木曜23:00まで)、月曜休館

                                     記事:はしもと のりこ

水都・大阪のシンボルエリア中之島から京都まで -鉄道で巡るアートの旅を提案-

鉄道芸術祭vol.1
西野トラベラーズ ─行き先はどこだ?─」

京都と大阪を結ぶ京阪電車の駅にアートスペースが誕生しました。
2008年の中之島線開業に伴い、なにわ橋駅の地下1階に設置された
「アートエリアB1」は、文化・芸術の創造と交流の場になっています。
その会場の特性を生かした「鉄道芸術祭」第1弾が開催されます。

メインアーティストはドイツを拠点に世界中に新たな空間を創り出す西野達氏。
西野氏は「横浜トリエンナーレ2005」で中華街の東屋をホテル内のベッドにし、
昨年2010年の「あいちトリエンナーレ」ではクレーンでネオンサインを吊るす、
豆腐で大仏をつくるなど、インパクトのある作品を見せてくれました。

アートエリアB1ではユーモアに富んだオリジナル彫刻、
京都・大阪間の魅力を独自の視点でリサーチした巨大絵図などで構成。
京阪電車主要21駅には、巨大絵図からピックアップしたポスターを掲示。
西野達&アートエリアB1共同企画も開催。

参加アーティスト:西野達、横山裕一、contact Gonzo、ジェコ・シオンポ、
山川冬樹と伊藤キムが合体して「山川キム」になりました。しりあがり寿(予定)

■西野達(アーティスト)
1960年愛知県生まれ。ベルリン在住。ミュンスター美術アカデミー(ドイツ)修了。
「笑い、暴力、セクシー」をテーマに、常識を覆すような手法でパブリックとプライ
ベートを反転させる作品を多数発表。
2011年、シンガポールビエンナーレに参加し、マーライオンを取り込んだホテル
「The Merlion Hotel」を発表。http://www.tatzunishi.net/

■鉄道芸術祭vol.1
「西野トラベラーズ ─行き先はどこだ?─」
http://artarea-b1.jp/event/tetsugei01/
日時:2011年10月22日(土)─12月25日(日)
12:00─19:00 月曜休館 入場無料
会場:京阪電車なにわ橋駅「アートエリアB1」
中之島バンクスCENTER-A、Antenna Media
主催:アートエリアB1
企画連携:de sign de > 、Antenna Media
協力:国立国際美術館、千島土地株式会社、株式会社イースト・プレス
助成:公益財団法人野村財団
問合:アートエリアB1TEL:06-6226-4006(12:00─19:00)
http://artarea-b1.jp

■豪華3部構成のオープニングイベント
初日10月22日(土)13時~21時
詳細、申込みはWebでご確認ください。

■他にも多彩なプログラムを開催予定 詳細は、web・チラシにてご確認ください。

■豪華3部構成のオープニングイベント
初日10月22日(土)13時~21時
詳細、申込みはWebでご確認ください。

■国立国際美術館所蔵の西野作品2点を展示
「中之島コレクションズ 大阪市立近代美術館&国立国際美術館」
会場:国立国際美術館(大阪市北区中之島)
日時:10月4日(火)─12月11日(日)
詳細は国立国際美術館のウェブサイトでご確認ください。http://www.nmao.go.jp/

ヨコハマトリエンナーレ2011 ―子どもたちを魅了するマジックアワー―

ウーゴ・ロンディノーネ《月の出、東》2005の12体の彫像と記念撮影を楽しむ人たち。横浜美術館にて

■夏休みは子どもたちがおおぜいやって来た
8月6日に始まった「ヨコハマトリエンナーレ2011」(ヨコトリ2011)も会期半ばを過ぎた。横浜美術館の前庭で、ウーゴ・ロンディノーネ《月の出、東》の12体の像と並んで写真を撮る人も多い。
今回4回めの横浜トリエンナーレは、8月会期開始で夏休み中とあっておおぜいの子どもたちがやって来た。親子で友人と楽しそうに話をしている姿をよく見かけた。学校からの宿題でチラシやパンフレットを求め、友だちと相談している中高生も多かった。
8月17日(水)の「子どもアドベンチャー 現代アートの国際展★ヨコハマトリエンナーレ2011へ行こう!」では中学生以下1人につき引率者1人が無料になり、特に多くの来場者があったようだ。同じ日に開かれた、缶バッジのワークショップや子どものアトリエが6日間行った鑑賞のためのガイドツアー「夏休み子どもフェスタ2011―トリエンナーレをみよう―」は盛況だったようだ。9月18日(休場日を除く38日目)に入場者数が10万人を超えたことも子どもたちのパワーかもしれない。

カールステン・ニコライ《autoR》2010/2011、作家が制作したステッカーを参加者が壁に貼る作品、進行中

■自分の言葉で語る「キッズ・アートガイド2011」
2005年、2008年に続き3回目の子どもが行うアートガイドは、小中学生がワークショップを重ねて実際に展覧会のガイドを行うもの。8月10日初回のガイドでは、ひとつの作品を1~2人が自分の言葉で紹介し、参加者にもどんどんマイクを向けて意見を求める。参加者はキッズの話に耳を傾け、作品をよく見てそれぞれ考えることができる。
立石大河亞《大地球運河》などの3点の絵画には、「過去、現在、未来を描いているようです。たくさんの動物がいますが、何種類いるでしょう」、答えは13種類。
また、キッズと参加者が作品を見る、キッズがガイドを通じて成長する、卒業したキッズがサポートに加わると、「みる、そだてる、つなげる」のヨコハマトリエンナーレ2011の方針を実現したプログラムとなっている。

美術館の屋上の、テーマのもとになったウーゴ・ロンディノーネ《our magic hour》2011は夕方から22時までは点灯し、昼間とは少し違う表情を見せる

■テーマを意識させる展示空間
横浜トリエンナーレは2001年に第1回が始まり、2005年、2008年と開催を重ねて、今年2011年は4回めになる。名称も「ヨコハマトリエンナーレ2011」と、「横浜」がカタカナ書きになった。2011年のテーマ「OUR MAGIC HOUR―世界はどこまで知ることができるか?―」に沿って、未知の世界に触発された作品を紹介する。「マジックアワー」は日没後から夜になるまでのことで、黄昏時、逢魔が時と言われ、不思議なものが往来するという。77組/79人300点以上の作品に出合って違う世界を見つけてみたい。
また、運営母体が国際交流基金から横浜市に移り、横浜美術館が初めて会場のひとつになるなど、過去3回とは大きく異なり、日本人の若手作家が多いのも今回の特徴。
横浜美術館が会場になったことで、空調の整った環境で展示でき、絵画作品が多いこと、所蔵作品を展示したことは現代美術の展覧会としては珍しいことだと思う。展示の順や隣り合った作品、同じ部屋の作品にもテーマやキーワードが感じられ、デザインされた空間展示を意識させられた。
しかし、区切られた場所も多く、暗幕を張った部屋などに見逃しやすい作品もある。部屋を回り、作品を次々に見て、休憩する場がほとんどなかったのは残念。途中で海が見えたり、ぼんやとして作品を思い返したり、同行者と語りあったりする空間と時間がほしいと思った。

もうひとつの会場、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)ではダイナミックな空間で、横浜美術館と対照的なイメージを受けた。両会場と特別連携プログラム会場(新・港村、黄金町バザール2011)をつなぐ無料バスは、会場を歩いて疲れた足を休めることができありがたい。ヨコハマ創造都市センター(YCC)での展示や看板作品が点在し、横浜駅、馬車道駅などでポスターは見かけたが、街中にヨコハマトリエンナーレを印象付ける作品や旗などが少なく、美術館の展覧会とは異なり、期待を膨らませ市民を引き付けるものが少ないのがちょっとさびしい。

ご参照ください。
◆夏休み子どもフェスタ2011―トリエンナーレをみよう―
子アト通信 2011年09月02日                                  注)「子アト」は横浜美術館「子どものアトリエ」のこと。
http://www.yaf.or.jp/yma/atelier/2011/09/

◆8月1日【「キッズ・アートガイド2011」が始まりました!】 ヨコトリレポート
https://www.yokohamatriennale.jp/report/?cat=5

            レポート・写真 2011年9月25日現在   はしもと のりこ