ヨコハマトリエンナーレ2011 第7回トリエンナーレ学校「ヨコトリ2011見どころ講座 アーティスト編1」

日時:2011年4月13日(水)19:00-20:30
会場:ヨコハマ創造都市センター(YCC)3階スペース
主催:横浜トリエンナーレ組織委員会
講師:天野太郎(ヨコハマトリエンナーレ2011キュレトリアル・チーム・ヘッド/横浜美術館主席学芸員)

3月11日に横浜でヨコハマトリエンナーレ2011の記者会見があり、約半数の参加アーティストが発表されたのを受け、今回から数回に渡ってトリエンナーレ学校の中でアーティストや作品についての紹介が行われることになった。今回はその第1回目。初めての参加者もいることから、横浜トリエンナーレの背景や概要も含めた総論が行われた。

*「横浜トリエンナーレ」は総称。2011は親しみを込めて「ヨコハマトリエンナーレ2011」とした。

【横浜トリエンナーレの位置づけ】
横浜市は2004年に「クリエイティブシティ・ヨコハマ」政策を開始。創造性豊かな街づくりを目指すことで都市の活力を高めようという取り組み。横浜トリエンナーレは文化芸術創造都市・横浜の形成に向けたリーディング事業として位置づけられる。また、ヨコハマトリエンナーレ2011では創造界隈拠点のひとつ BankART Studio NYK が主会場の中に含まれている。

【過去3回の横浜トリエンナーレと2011の違い】
過去3回の横浜トリエンナーレは主催者に国際交流基金が加わっていたが、ヨコハマトリエンナーレ2011では行政刷新によって抜け、横浜市が主導することになった。また、毎回主会場が変わっていたが、2011では初めて横浜美術館が主会場となり、今後も主会場のひとつになっていくであろう。10年目の節目となる今回は、「みる、そだてる、つながる」の理念のもと、各種プログラムを展開する予定。東日本大震災の発生によって開催が再検討されたが、予定通り開催決定。計画停電や放射能に対する反応などさまざまなことが起こる可能性があり、対応を迫られるであろう。打合せのためにヨーロッパで会ってきた参加アーティストの多くは震災や原発の情報をよく得ており、そんな中でも出展に意欲をみせていた。世界中の人々が日本の現状を見守っていることがよくわかった。今こそ文化が持てる力が問いただされるだろう。

【アーティストと作品の紹介】
ヨコハマトリエンナーレ2011のテーマは「OUR MAGIC HOUR -世界はどこまで知ることができるか?-」。科学や論理で把握できない領域に注目し、世界や日常の不思議、魔力や超自然現象、神話、伝説、人間と自然の関係にも言及する。

以下、紹介のあったアーティストと作品。《》内は講座の中で紹介された作品名。

■ウーゴ・ロンディノーネ《moonrise.east, march》
12の月を表すの巨大な頭部の彫刻を横浜美術館屋外で展示。わかりやすい形態だが奥深いところで精霊との親和性を内包させた作品。

■ヘンリック・ホーカンソン《Fallen Forest》
生きている木を使ったインスタレーション。木の影に水やりの仕掛けがあり、展示期間中も成長させていく。

■クリスチャン・マークレー《The Clock》
1分単位に時刻を示す映画のワンシーンを24時間抽出してつなげた映像作品。映画の文脈のシーンと時間の流れとがうまく溶け合っている。

■ジェイムス・リー・バイヤース《Five Points Make a Man》
毎日行う劇場的な作品。本人は1997年没。

■カールステン・ニコライ《autoR》
幾何学模様のユニットを組み合わせて建物の外壁を覆ってデザインする参加型の作品。

■シガリット・ランダウ《DeadSee》
500個のスイカと自分の体をイスラエルの死海に浮かべた映像作品。塩分濃度が高いため死海に30分以上いると浸透圧で脱水し死んでしまう。身体的な痛みや歴史的・民族的記憶を彷彿とさせる。

■ジュン・グエン=ハツシバ《Breathing is Free》
アーティストが走った街の痕跡を残す。GPSで描かれるドローイングとビデオ作品。

■スン・シュン《21克》

■泉太郎《スラングとしての魚の骨》

■田口和奈《失ったものを修復する #2》

主会場である横浜美術館と BankART Studio NYK にビジターセンターを設ける予定であり、サポーターにはそこでビジターへ作品の解説をしてもらいたい。「ヨコトリ2011見どころ講座」はそのための教育プログラム。サポーターはこの講座を聞いて、気に入った作品、見どころ、見逃さないでほしい作品をわかりやすく人に伝えてほしい。そして、うまく人に伝わったときの醍醐味を味わってほしい。

第7回トリエンナーレ学校の講師天野氏とサポーター
第7回トリエンナーレ学校の講師天野氏とサポーター

この講座の目的はまさに、第1回トリエンナーレ学校の中で総合ディレクターの逢坂氏述べたアート・ボランティアの自己実現性を後押しするものだと強く感じた。1時間強の中に盛りだくさんの内容が押し込まれ駆け足の講座ではあったが、少しずつアーティストや作品について繰り返し触れていくことで開幕までに期待が膨らむとともに、サポーター活動のモチベーションも上昇していくに違いない。

アーティストと作品については、一部の作品の写真を載せた3月11日の記者会見の記事「ヨコハマトリエンナーレ2011記者会見その2」も参考にしてほしい。

講座の終わりにサポーター活動についての説明も行われ参加者の募集があった。詳細はサポーターサイトをご覧いただきたい。

レポート:山岸泉 写真:はしもとのりこ

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