西野 達インタビュー

横浜トリエンナーレ2005、中華街の公園でユニークな作品(実際に宿泊できるホテル)を作った西野 達さんが久しぶりに横浜で作品を制作するという。

西野 達
西野 達 写真:洞沢佐智子

今回の作品「天井灯」制作のボランティアを募っていると、2005年以来西野さんをウォッチしているNHさんから連絡があり、さっそく応募した。ボランティアの合間を縫ってインタビューしようと計画したが、想像以上にハードな仕事、天候不順もあってそれどころではない。忙しいスケジュールのなか、快く翌日のインタビューに応じていただいた。

TAEZ! お疲れさまでした。今回は強風で計画は中止になってしまいました。再チャレンジしますか?

Nishino もちろん、次に日本に来る11月頃にまたやります。

T 今回の作品「天井灯」は、今までの作風とちょっと違いますね。モニュメントを取り込むのではなく、モチーフはすべて作り込んで・・・完成まであまりバラさない方がいいですか?

N そんなことはない、大丈夫ですよ。今回は写真作品です。情景を撮影して写真作品としての展覧会を企画しています。

T どんな情景になるかはお楽しみというところですね。ところで、なぜ横浜で?

N 横浜は、文化に対する包容力があるのでしょう、規制がゆるやかなんですよ。東京だったら絶対できないね。

T 西野さんの作品の多くは、良く実現できるなぁ、というのが多いのですが、例えば、街灯を逆さまに地面に突っ込んで地下室の電灯にしたり、ティールームをクレーンでつり上げて空中でお茶するとか。公共の場に作品を作るのはたいへんだと思うのですが許可を取るテクニックとかあるんですか?

Tatzu Nishi / Denken Sie sich einmal an meine Stelle (Please Put Yourself in My Shoes for Once) 2002 / Lüdenscheid, Germany / photo: Carsten Gliese

N ほんとだよね、よくできたよね。でも、向こうの役所の人はおもしろがる人が多くてテクニックなんていらないんだ。あと、キュレーターの力量によるところも大きいかな。

T 中にははじめから実現困難だと決めつける役人やキュレーターもいるのでしょう。 長年やってると西野さん自身が安全パイを打ってしまうことないですか?

N それはない。粘り強いところがアーティストの資質だと思うからね。それにアイディアはすでに200以上あるんだ。

T 西野さんの一連の作品は、1997年から始まってますね。

N ムサビを出てドイツのケルンへ行って、1997年の作品が西野達のデビューです。

T 学生時代は普通の絵を描いていたと思うのですが、西野ワールドはどんな経緯で生まれたのでしょう?

N ドイツにいた、というのが大きいね。油絵、彫刻、いろいろやって飽き足らないというのがあったけど、この作品にたどり着いたとき、アイディアが実現できたというのがいちばん大きいかな。日本にいたらだめだったろうね。

T 作品世界のリアリティにはこだわっていますね、部屋に取り込んだ街灯のスタンド部分とか。ホテルはプロがやっているんですよね?

N 運営は自分たちでやっていますが、サービスは本物のホテルのサービスです。

T 最近は実制作には関わっていないとか。手技に対する欲求はないですか?

N 最初の頃は自分で全部作っていたけど、今はプランするだけだね。でも最近、ドローイングに力を入れている。それでバランスをとっている。

質問には迷いなくストレートに答えてくれた西野達さん、言葉も行動も自分の意志と責任、というオーラを発する人だ。西野さんをサポートする人たちも、穏やかだけど自立した精神の持ち主ばかりという印象を得た。きっと世界中にこんなネットワークを持てる人なんだろうと思った。12月か来年の1月に、横浜での制作に再チャレンジする予定という。詳細をキャッチしたらお知らせします。

(2009年9月1日 横浜にて 高橋 晃)

Engel
Tatzu Nishi / Engel (Angel) 2002 / Basel, Switzerland / photo: Serge Hasenböhler

西野さんの作品さらに詳しく > ARATANIURANO

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西野 達(にしの たつ)
http://www.tatzunishi.net

1960年、名古屋生まれ。武蔵野美術大学、ミュンスター美術アカデミー卒業。世界各地でアートプロジェクトを展開。ドイツ・ケルン在住。 横浜トリエンナーレ2005に参加。以降、ほぼ毎年日本で作品を展示。
2009年はフランスのナント市で開催されるビエンナーレ形式の大規模プロジェクト、Estuaire 2009 Nantesに参加。15m程の煙突を制作、その上にホテル「ヴィラ・チムニー」を建築し、会期後もホテルとして運営される。

★横浜トリエンナーレ2005関連<YCAN記事>
June 13,2006 天上のシェリー 西野 達展
http://www.ycan.jp/archives/2006/06/post_121.html
September 21,2005 作家・西野達郎さんを制作現場にたずねて
http://www.ycan.jp/archives/2005/09/post_42.html
September 19,2005 中華街に突如出没!贅沢なアートホテル「ヴィラ會芳亭」
http://www.ycan.jp/archives/2005/09/post_39.html

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